お産まとめ

不思議な事にお産を漠然と考えていた妊娠前や初期の頃は、医療介入の無い助産院でのお産が自然なお産でそれこそお産のあるべき姿と思い込んでいた。健康な生活や運動をすれば安産間違いなしとも。しかし実際自分のお産が自然の陣痛が来る前に羊水が出てしまって感染してると言われ、結局陣痛促進剤を使ったり、メトロ処置が行われたり、会陰切開もされ、医療介入のオンパレードでどでかい病院で産む事になった事を振り返ると、やはり病院で産むのが安心だなと思った。会陰切開も勝手にされた訳ではなく、内側が自然に切れてるので赤ちゃんも長い事陣痛に耐えてストレスで中でうんちもおしっこもしているし早く出してあげた方が良いのと、ギザギザに切れるよりさくっと切った方が治りが良いとちゃんと説明してから切られたので、勝手にやられた!という思いもないし、何よりダイヤピアスの医者の腕が良いのか、最初は勿論不快感たっぷりだが2週間目にはもう普通に座れるし気にならない程度まで回復したので、切られてもそこまでショックもなかった。それに出血が通常の2倍あったのでとすぐに点滴もしてくれて、これも助産院だったらどうしてたのだろうとちょっと怖くなった。赤ちゃんの方も感染の疑いやうんちとおしっこをしているからと、生まれる時に小児科ドクターがスタンバイしてすぐに処置をしてくれたのも非常に安心した。これが助産院だったらどういう処置をするのだろうか。搬送?でもその場合すぐには出来ないからやっぱり小児科が併設されている様な病院で産んだ方が安全だろう。
国立国際医療センターが良かったなと思うのは、勿論病院だから医療介入はある。しかし産む体勢やLDR施設、助産婦さん達の親切な対応等、全てがここで産んで良かったなと思える位非常に快い物だった。全てに対してきちんと説明を前もってしてくれて、不安にならない様に気をつけてくれているのが分かった。
入院生活も夫が泊まれないというのは助産院とは違うものの、母乳指導や赤ちゃんの健康状態のチェック、私の様子のチェック等、完璧できめ細やかな心遣いを感じた。おっぱいの量がまだでなくて足りない時も、無理にミルクを勧めたりもせず、焦らず糖水で様子を見させてくれたし、どれも上から目線でやれ!的な事はなかった。

助産院には助産院の良い所もあるだろう。生活指導も安産のためというよりも赤ちゃんの健康の為に大事だと思うし、やらないよりはやった方が断然良いのも分かる。しかし生活指導にきっちり沿った生活をしたからと言って必ず安全なお産が出来るとは限らないと思う。私は多少は駄目と言われた物を食べたりしていたけど、妊娠前から健康には気を使っていたし、食べ物だけじゃなくて化学物質をなるべく使わない生活もしていたし運動も定期的にしていたから胎盤も綺麗だったと思うが、結局お産自体は難産だった。文句を言いつつも言われた通り鍼灸にも毎週通ったし、体を冷やさない様な服装をきちんと守ったし、内股を夫に踏んでもらうマッサージも欠かさずやった。綿球で会陰の伸びを良くする為のオイル湿布もきちんとやった。ヨガも週に何回かやった。それでも子宮口は開かなかった。歩けば開くと言われて最後の数週間は一日2,3時間ガンガン歩いた。更に促進剤を打っても、メトロをされても2日かかった。だからお産にこれをやったら絶対という物はないんだなと悟った。

初めのうちは自然なお産に拘っていた自分だが、全てイメージでしかなかったと今は思う。色々な人の体験記を読んだりすると、助産院や自宅出産で産んだ人の方が病院で産むよりアットホームで心温まるお産なイメージだったし、実際友達が同じ助産院で出産して絶賛していたので私もそれであまり考えずにそこにしたけれど、自分の性格もよく考えて病院か助産院か選んだ方が良いと思った。私は勿論冷たい医者の対応は好きではなかった。(助産婦さん達はとっても良い人達ばかりだったけど、医者は無機的な感じであまり・・・って感じだった。白い巨塔みたいな、無意味なご回診もあった。)でもきちんと説明してくれたり、なぜこういう処置をするのか根拠を教えてくれたりするのが私はとても安心出来た。助産院は兎に角私達の言う通りにすればいいのよ的な上から目線の言い方が多く(その助産婦の性格かもしれないけど)、だんだん何を根拠にそう言う事を言うんだろう?経験から言ってるのは分かるけど、妊婦それぞれ体も違うし大半の人がそれで大丈夫だったとしても私は違うかもしれないじゃん?とか疑ってしまう感じの指導の仕方だったので、毎回検診の度にモヤモヤしたものがあった。それに助産院だと提携の産科にかからないといけないので、何かちょっとでもあれ?と言う事があるとすぐにそちらの産科に行かなくてはならなかった。そうすると助産院での検診と、産科での料金とダブルで取られるのでお金もかかる。病院だったらいっぺんで済むのにと思ったりもした。

私は偶然自分で選んだ訳ではない病院で産む事になったけど、ラッキーだったなと思った。あんなに痛くて辛い思いをするのはもうごめんだからもう産まないと思うけれど、万が一にもまた妊娠したら絶対に次回は最初から病院出産をするつもりだ。国立国際医療センターか、フリースタイルのお産が出来る様な病院で、LDRの様な施設がある病院、小児科が院内にある病院だったら、助産院の良い所と病院の良い所を両方味わえるので一番良い気がする。

余談だが、出産を終えて2,3日経った頃、助産院の院長が部屋を訪ねて来た。その後どう?みたいな世間話をしに来たのかと思えば、何で子宮口が開かなかったのか?見たいな話になり、「歩かなかったんでしょ?」と言われたり、アロマをやれば良かったのにと言われたので自分でやっていたと言うと、ジャスミンなんてダメダメ、店員の口車にのっちゃだめ、クラリセージなんて聞いた事もない。調べておくわとか、もうお産を終えた私には関係ないのに自分の説が当てはまらないのが悔しいのか知らないけど、色々あったけど、無事に子供が生まれて良かったわ!とかそう言う会話は一切なく、自分はきちんとやったけど、私が教えを守らなかったから結局助産院で産めなかったのよ的な言い訳をしていなくなった感じだった。その時はまだなんだか疲れていたし授乳疲れで適当に愛想よく対応しておいたけれど、体力が戻って来たらだんだんむかついて来て、なんなんだ?あれはと思った。

緊急の搬送料についても納得がいかないので今なぜその金額なのか、そして私は緊急なのかを説明してもらうのを待っている所だ。納得がいかないものに1円たりとも払いたくないのできちんとした説明で納得がいかなければ払わないつもりだ。きちんとした判断力がない状態で、2万円です、よろしくなんて普通のビジネスじゃあり得ない。妊婦は不安だし命を預ける様な所の人に反抗も出来ないからああいう商売のやり方でまかり通って来たのだろうけど、ちょっと信じられない。

紹介してくれた友達が責任を感じると言っているけれど、その友達はとても良い思いをしたらしいので、本当に人それぞれだなと思った。だから自分がどういう性格なのか、何を持って良いお産と思うのか等よくよく考えて産む場所を選ばないといけないのだなと、終わってから思ったのだった。

全体的には結局最後にここで産めて良かったと思える病院で出産出来たので納得のいくお産だった。病院で取り上げてくれた助産婦さんからも、久しぶりにとても良いお産に関われて本当に良かったと言われたので、何が良かったのか聞いたら、夫があそこまで献身的に一緒になってお産をする事は中々なくて、本当に二人で乗り越えたって感じだったので、自分達は最低限のお手伝いしかしなかった、夫にあれだけ文句を言えるのも良い関係の証拠ですよと言われた。そして最後にうるさい!とか違う!とか30時間以上も促進剤投与から経ってて疲れているはずの妊婦があれだけの大声で怒鳴れるのを見て、あ、体力まだまだ残ってるからすぐいけるって思いましたと言われた。確かに終盤の方が自分でも終わりが見えた分パワー復活で怒鳴り声も大きくなった気がしてたので録音しておけば良かったよ。どんだけうるさかったのかと今思うと恥ずかしいわ。兎に角赤ちゃんも私も無事でいられる事が一番なので本当に病院で産めて良かったと思う。

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